ちゃんと呼吸できてる? 忙し子さんに伝えたい3つのことBody Care, NEWS, Pick up
生理が近づくと眠くてだるくて気分も沈みがち。さらに生理が始まれば、体調も化粧ノリも悪くて本調子でいられない……。
それでも「頑張らなくちゃ!」と自分を奮い立たせ、仕事や家事に向き合っている——。女性ならそんな感覚にうなずく人も多いはず。
———でも、社会人である前に私たちは『女性という生き物』なんですよね。
そう話してくれたのは、1児の母でありヨガ講師の芥川舞子先生。ヨガの観点から、現代に生きる『女性に大切にしてもらいたい3つのこと』を教えてもらいました。
その1;吸って、吐いて、ちゃんと呼吸できてる?
最近ではストレッチやエクササイズの一環としてヨガを取り入れている女性も多いと思いますが、実はヨガでもっとも大切なのは“呼吸”だそう。
———私がアーサナ(ヨガのポーズ)を指導するときには、呼吸の限界を超えないことを大切にしています。呼吸が苦しいのに無理してポーズをとるのではなく、呼吸のために動くことがヨガ本来の教えなんです。
呼吸を大切にすることは、自分を大切にするのと同じだと芥川先生。では先生が実践している『自分を大切にすること』とはどんなことなのでしょう?
———体に優しい食生活を心がけるなど方法は色々とありますが、一番簡単なのはやはり“呼吸を見直す”ことです。呼吸って止めてしまうと生きていけないし、生まれて一番にするものですよね。呼吸は”命”と最も密接に関わっているのですが、意識しなくても自動的にできるがゆえ疎かにしてしまいがちなんです。
確かに忙しかったり緊張していると、息をするのを忘れてしまった経験は筆者にもあります。現代に生きる私たちは、思っているほどちゃんと呼吸できていないのかもしれません。
———ヨガの中でも呼吸の練習はとても実用的なことなんです。体を柔らかくしたいとか、強くしたいという気持ちの方が勝っていると、呼吸はないがしろにしてしまいがち。でも自分の呼吸に正直になって、「今ちょっと苦しいよね、さっき心地よくした呼吸と変わったよね、だとしたらポーズを緩めてみよう」など苦しくない範囲で動くことが大切なんです。それってやさしいようで結構難しいことなんですよ。
頑張りすぎたり、辛いときこそ自分に優しくすることが大切。その秘訣は私たちが”今”も自然にしている『呼吸』にあったのですね。
その2;恋愛がうまくいかないのは、あなたのせいじゃない
さらにヨガでは“パートナーシップ”のあり方も学べるって知っていましたか? 強がってしまったり、素直に甘えられなかったり。頑張りやさんの女性ほど、心当たりがあるのではないでしょうか?
———元来ヨガとは、男女の関係性を強調して伝えているところもあるんです。ハタヨガの『ハ』と『タ』にはそれぞれ、【ハ=太陽=男性】と【タ=月=女性】という意味があり、太陽である男性が女性を支えることで、男女ともに輝くのが本質であると言われています。
男性は、自分の存在が女性を輝かせていたり、喜ばせていたりすることに男性性における自信を見出します。だから女性が心地よくいるということは、良いパートナーシップを築く秘訣でもあるんですよ。
ほかにもよく、「お母さんが幸せな家庭は、家族みんな幸せ」とか、「母なる地球」とか言いますよね。そもそも人は皆、女性から生まれているので、女性をないがしろにするのは命が出る場所をないがしろにすることと同じでしょ。だから女性性を大切にしないと、結局自分も苦しむことになるんです。
なるほど深い。そして面白い。ということは恋愛がうまくいかない時は、自分を責めたりせず”心地よい呼吸”を心がけたら案外うまくいくのかもしれない。ちなみにアーサナ(ヨガのポーズ)を深めていくと、より深く女性性と男性性のバランスを整えていくことができるそう。
その3;心地よくなるためには、無理をしない勇気も大切
さらに現代は女性が社会に出て働くことは当たり前となっていますが、芥川先生は「依然として社会全体は、男性性に傾っている」と指摘します。
———大切なのは女性性と男性性のバランスです。女性性には優しく柔らかく生命を育むエネルギーがあるし、男性性には競争し強く突き進む力があります。双方ともに欠かせないエネルギーなので半々くらいのバランスが理想ですが、現代はまだ男性性に偏っているので女性にも男性的なものを求められることがよくあります。
例えば「生理なので会社を休みます」とは気軽には言えない空気ってありますよね。だから女性は生理をうとましく思ったり、男性のような一定のコンディションを自分にも求めがちです。でもそれこそが、女性でありながら男性的な生き方になっている現れなんです。
しかも女性は一週間に一回ホルモンバランスが変わるので、極端な話、先週と今週では別人だし、考え方も体のコンディションも違うのが普通なんです。いまの社会ではそんな自分を責めてしまいがちですが、そうした女性特有の変化は当たり前のことだと受け入れるべきですよね。
芥川先生が主催するヨガ教室では、『仕事をする上では不便だったとしても、女性として自然な生き方を選ぼう』と、生徒さんにも伝えているそう。どうしてもつらいときは、仕事を休んだって、そう、きっと大丈夫。
生理中こそ自分に優しく、膣にも呼吸を届けよう
次に芥川先生が教えてくれたのは生理用品の選び方。
———もともとムレると肌がかぶれてしまうのが悩みで、布ナプキンが登場する前からハンカチを当てて生理期間を過ごしていたこともあるくらい。でもこの『オーガニックコットンナプキン』と出会ってからは、ずいぶんと楽になりました。
オーガニックコットンナプキンで使用されている綿花は無農薬有機栽培。オーガニックコットン100%の表面シートはビニール製のように湿気がこもりづらく、通気性にも優れています。
———少し厚みのある素材で肌にあてるとふんわり温かく、しかも空気がちゃんと通っている感じがするし、肌に張り付くこともないので、つけ心地も気持ちいいんです。
一般的な生理ナプキンと比べると取り替える回数は増えるそうですが、「そもそもトイレさえ行けない生き方をしてることに疑問を持たなきゃ」と芥川先生。
———私はむしろ、頻繁に取り替えなきゃいけないことが逆にいいなと思うんですよ。清潔だし、自然じゃないですか。私たちは本来どんなことも自分の頭で、「そもそも」から考えなきゃいけないし、社会の感覚をただ鵜呑みにするだけじゃいけないんですよね。
芥川舞子先生愛用のオーガニックコットンナプキン
◎公式HP:http://www.cotton-labo.co.jp/organicpads/
無理をしないことは、サボっているということではありません。むしろ無理をしないことが、自分の中の女性性に向き合うこと。
そのためにはまず”呼吸”に気をつけて生活してみること。たったそれだけで自分をもっと愛しく思えるようになれるのかもしれません。
次回は芥川舞子先生による生理中のおすすめヨガポーズをお伝えします。
取材協力:ヨガ講師・モデル・芥川舞子ヨガスタジオ主宰
芥川舞子先生
人気ファッション誌の専属モデルを務めたのち、ヨガインストラクターへと転身。呼吸に重きを置いた伝統的なヨガをわかりやすく安全に機能させることを大切にしている。雑誌やTVCMなどメディアに多数出演するほか、毎年行われる大型ヨガイベントやセミナーにて、メイン講師として数多くのステージに立つ。
>>詳しいプロフィールを見る(https://www.maiko-akutagawa.com/profile)
取材協力:コットン・ラボ株式会社
写真_山辺恵美子 取材・文_諫山由梨子